もぐらとループ

上越線土合駅の上り線ホームや写真の駅建屋などは地平にありますが、下り線ホームは改札を通ってから462段もの階段を下りた先、徒歩10分ほどかかる地下82mにあります。その深さと距離から「モグラ駅」としても有名です。

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上下線のホームがここまで露骨に離れてしまった理由は上下線の開通時期の違いにあります。上越線開通当時はトンネル掘削技術が未発達だったため、トンネル区間をなるべく短く、地平区間をなるべく多くするためにループ線などを駆使し、現在の上り線、清水トンネルを整備しました。時代が下り、上越線を複線化することで輸送力増強を図る際にはトンネル掘削がある程度発達したため、トンネル長のある新清水トンネルを掘削し下り線を新設し、地上にある既存の土合駅に近い部分の地下に新たな駅のホームを設けた、というわけです。

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そんな土合駅と、上越国境を超えるトンネル(下り線)とループ線(上り線)を満喫するための列車が18きっぷシーズンを中心に設定されます。「もぐら号」と「ループ号」です。運転される列車の愛称が頭につき「〇〇もぐら」「△△ループ」とつくことも多いです。私が把握している限りでは485系「リゾートやまどり」、「N.O.D.O.K.A」の他に、北越急行イベント列車の「ゆめぞら」などが充当されたようです。

 

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引退が発表された直後に運転された「NO・DO・KAもぐら」の指定席券です。すでに引退を惜しむお名残り乗車勢が多くみられるようになっていました。今後も設定される可能性の残る「やまどりもぐら/ループ」も間もなく、発売直後に売り切れる人気列車になるのでしょうか。

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話題性のある車両が充当されるかどうかは別として、「SL(ぐんま)みなかみ」との接続なども考慮されており、土合駅での散策時間も確保されているので、片道はSL+もぐら or ループを利用し越後湯沢や高崎を観光し、新幹線でワープするという使い方もありだと思います。逆に「もぐら/ループ」に往復とも乗ろうとすると、越後湯沢での滞在時間が20分程度しかないので、駅併設の「ぽんしゅ館」に行く余裕すらありません。笹団子を買うのが関の山だと思いますのでご注意を。