青春18きっぷ 北海道新幹線オプション券
鉄道ファンに限らず、長期休みに安く移動を済ませたい若者、時間に余裕のあるシニア層など様々な層が利用する「青春18きっぷ」。様々な企画乗車券が淘汰されているなかでも、国鉄時代から継続して販売されている実績からか、今日まで発売され続けています。
(深い意味はないけれど、青春18きっぷで利用可能な普通列車の例)
しかし、安く移動できるからには制限があり、その制限の最たるものは「JRの在来線 普通列車にしか乗れない」ことです。細かな例外はあるにしろ新幹線や特急などの優等列車や、整備新幹線の開業で経営分離された第三セクター鉄道には乗れないと考えて移動しなければならないわけです。
この原則に則ると、在来線である津軽海峡線の一般旅客列車が存在せず、北海道新幹線のみが旅客営業している青函トンネルを青春18きっぷで通過することは出来なくなってしまいます。しかしJR北海道の長年の悲願であり、看板列車でもある北海道新幹線に18きっぷユーザーをタダ乗りさせるわけにもいかない……。
そこで、有効な青春18きっぷを併用することを条件に、北海道新幹線(奥津軽いまべつー木古内)と道内いさりび鉄道(木古内-五稜郭)を片道1回利用できる企画乗車券が北海道新幹線開業当初から用意されました。それが「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」です。
実際に北海道側から使用したオプション券です。木古内駅の新幹線改札で入鋏してもらい、奥津軽いまべつ駅の改札で持ち帰りをお願いしました。記念に北海道新幹線車内で車掌からH5系を模したスタンプも押してもらっています。
オプション券と一緒に発券される案内券には色々な注意書きが書かれています。
津軽海峡線時代から津軽線の津軽二股駅と津軽海峡線の津軽今別駅は隣接している迷双子駅でしたが、ついにJRから公式に乗換駅として案内されるようになったことが、個人的には一番の驚きです。
乗り継ぎは実際に移動するときのダイヤ構成によると思いますが、2017年9月の利用当時は実行可能と思われる乗継は数えるほどしかなく、お世辞にも使い勝手の良いものではありませんでした。北海道新幹線と津軽線の接続がうまくいかない場合が多かった印象があります。
私が利用した時間帯は昼過ぎに函館を出て、青森方へ夕方に抜けるパターンでした。函館から木古内まで乗車した列車が、道内いさりび鉄道のイベント対応車「ながまれ号」でラッキーだと思った記憶があります。
在来線が通らないための特例、救済措置とはいえ、青春18きっぷとそれに付随するオプション券で実際に新幹線の2+3列の座席配置に座るのはやはり違和感があり、なんだか落ち着かないまま青函トンネルを通過してしまったのは、私が小心者だからでしょうか。
津軽海峡線時代から、元を辿れば青函連絡船時代から、運賃に関する特例事項の多い津軽海峡。利便性は今一つだとしても、格安きっぷ利用者にもきちんと手当てをしてくれている現状に感謝すべきなのかもしれません。