徒然なるままにジョイフルトレイン その6 きらきらうえつ

徒然なるままにジョイフルトレイン、まだ北海道の車両で書こうと思っている車両のストックはあるのですが、気分転換も兼ねて本州のジョイフルトレインを1本登場させてみます。

今回取り上げるのは羽越本線を走るジョイフルトレインきらきらうえつ」です。

主な運転区間は新潟―酒田でほぼ毎週末1往復がコンスタントに設定されていますが、年に数回、運転区間が秋田や羽後本荘まで延長されることがあります。その時は「きらきらしらかみリレー」と名称が変わったりするとかしないとか…。

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カラフルなブロックパターン塗装を纏った外観からは想像がつきませんが、種車485系であり、羽越線内にある交直切り替えもお手の物です。

外観同様、車内も種車の面影はほぼなく、明るく開放的な室内に回転式リクライニングシートが配置されています。また、足元をよく見ると、デッキからキャビンに向けてスロープが配されハイデッカー構造になっています。車両中央部の通路から1段ステップを設けてハイデッキとする方法は中央本線系統の183・189系のグレードアップ車両などで行われていましたし、デッキに段差を設ける方法は小田急10000型HiSEや20000型RSEなどで見られましたが、デッキからスロープを伸ばして高さを稼ぐやり方は「きらきらうえつ」独特ではないでしょうか。

噂によると、というか容易に想像はつきますが、車体はほぼ新造なんだそうな。

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4両編成で全車指定席の臨時快速列車として運転される「快速列車」故に18きっぷシーズンなどには快適に長距離移動ができる列車としても脚光を浴びる(?)「きらきらうえつ」ですが、4両中1両は車内販売用のカウンターとラウンジスペースとして使われています。

カウンターでは新幹線車内販売などで見られるようなお菓子や飲み物、お弁当などの車内販売定番商品の他に、新潟銘菓や越後、荘内地方の地酒、おつまみなども取りそろえており、希望すればラウンジスペースを使ってのんびりとそれらを楽しむことも可能です。

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また、小さなことではありますが、車内検札時に乗務員が使用するチケッター。「きらきらうえつ」には専用のチケッターが用意されており、運用によってインクの色も替えているようです。きっぷを保存しておく人たちにとっては思い出が増えていいアイデアかもしれませんね。

 

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2001年からその名の通り羽越本線を中心に日本海沿いに広がる雄大な景色を乗客に届け続けてきた「きらきらうえつ」。しかし、その活躍もそう長くはないのかもしれません。

JR東日本から「きらきらうえつ」と運転区間が重複する新たなリゾート列車の登場がアナウンスされました。その名は「海里」。

リゾートあすなろ」などと同じハイブリッド気動車を採用するそうで、現行の「きらきらうえつ」よりもグルメなどの要素も取り込んでいくようです。

 

485系列を種車にしたジョイフルトレインで他に現存するものは「リゾートやまどり」などがありますが、「リゾートエクスプレスゆう」や「彩」が続々と引退し、原型の485系が定期運用についていない今、これらの車両の行く末も不安を感じざるを得ません。