徒然なるままにジョイフルトレイン その8 旭山動物園号

久しぶりに北海道に戻り、ジョイフルトレインの紹介をば…。

今回取り上げるのはキハ183系改造の「旭山動物園号」です。

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 その名の通り、旭川駅からバスで30分ほどの立地にある「旭山動物園」へのアクセス列車として、2007年にキハ183系4両を改造して誕生した「旭山動物園号」は途中1両の増結や塗装変更を挟みながら2018年3月まで運用されていました。塗装変更後は札幌方から極寒の銀世界、鳥たちの大空、北海道の大地、熱帯のジャングル、草原のサバンナのテーマ(愛称)が与えられていました。

 車内も動物園の雰囲気たっぷりで、各号車のテーマに沿った飾り付けがなされ、一部座席は「ハグハグチェア」と銘打ったフリースペース兼フォトスポットになっていました。

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 内外装にかなり手が加えられ、ファンシーな雰囲気いっぱいな「旭山動物園号」ですが、ハード自体は他のキハ183系と大きく変わらないものであり、5両編成とある程度の長さもあることから、「旭山動物園号」という単一の目的に特化したネーミングの車両ではあるものの、晩年は季節臨時列車や定期特急列車の代走にも動員され、函館本線 札幌ー旭川だけでなく道内各所にその足跡を残したのでした。

 筆者はこの「旭山動物園号」に2回乗車したことがあります。本来の運用である「旭山動物園号」では親子連れなどを中心にとても賑やかな車内で先述の「ハグハグチェア」などのフリースペースも大人気でした。JRの狙い通りの活況ぶりだな、とはまなすカーペットからの乗継でやや寝不足な頭で思ったものです。

(今から考えれば、札幌―旭川の正規運賃+指定席特急券購入ではなくて、現地での乗り換え時間を使ってSきっぷ+指定券などにすれば、よりきっぷ的には面白かったのではないかと思ったりもしますが、後だしじゃんけんではなんでも言えてしまいますし、過ぎてしまったことなので、あまり気にしないことにします)

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 もう1回の乗車機会は「クリスタルエクスプレス」車両故障に伴い急きょ充当された「フラノラベンダーエクスプレス」でした。

ポップな内外装は当然のことながらそのままで、残念ながら「ラベンダー」な雰囲気を感じ取ることは出来ませんでしたが、「ハグハグチェア」がハグハグしていない状態を目にすることが出来たので、これはこれで貴重な経験だったかと(笑)

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旭山動物園へのアクセス列車として多くの人に笑顔を届け、思い出を運んだキハ183系旭山動物園号」。引退した今は専用の後継車両こそありませんが、同じ札幌―旭川を789系0番台が「ライラック旭山動物園号」としてその任に当たっています。

専用の車両を用意しない代わりに半室グリーン席の販売を取り止め、そのスペースを使ってハグハグチェアーなどのフリースペースを用意しているようです。

 

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今回取り上げた「旭山動物園号」だけでなく、スラントノーズが特徴の183系初期車全体がすでに廃車され、JR北海道誕生後にデビューしたキハ281系すら置き換え対象として名前が挙がってしまう平成の終わり。時が進み、景色が変わることは当然ではありますが、強烈なインパクトを北海道の鉄路に残した「旭山動物園号」のコンセプトを継いだ「ライラック旭山動物園号」が引き続き人気の中で走り続けてくれることを期待しています。