徒然なるままにジョイフルトレイン その7 リゾートあすなろ
前回の「きらきらうえつ」に引き続き、内地のジョイフルトレインをお伝えしていきたいと思います。と言っても無秩序に取り上げていくと収拾がつかなくなるので、やっぱり北から…。
という訳で、今回はHB-E300系「リゾートあすなろ」です。
2010年の東北新幹線全線開業を機にJR東日本盛岡支社に投入されたこの車両は「リゾートあすなろ○○」と列車愛称に様々な語尾を入れて多路線を走っています。
私が乗車した時は新青森発、津軽線三厩行きの「リゾートあすなろ竜飛」でした。
このほかにも「リゾートあすなろ下北」、「リゾートあすなろ青森」などの愛称で土日祝日を中心にコンスタントに運用されているようです。
盛岡支社が管轄している路線を幅広く走っている印象で、近隣の秋田支社、第三セクターの青い森鉄道などにもちょこちょこ顔を出しています。
車両はJR東日本が満を持して開発したハイブリッドシステムを搭載したHB-E300系。
このHB-E300系はこの「リゾートあすなろ」の他に五能線を走り秋田県と青森県を結ぶ「リゾートしらかみ」の橅、青池編成や長野県を走る「リゾートビューふるさと」にも投入されています。
ジョイフルトレインというと既存車両の改造ということが多いですが、このHB-E300系に関してはいずれも新製投入となっています。
車内はシートピッチが広めにとられた回転式リクライニングシートが並びます。
写真は先述の兄弟車の1つである「リゾートしらかみ」の青池編成ですが、ほぼ同一の座席が使用されています。
ご自慢のハイブリッドシステムのおかげなのか、それともそもそも搭載されているディーゼルエンジンの性能なのか正直わかりかねる部分はありますが、ディーゼルカー特有の振動なども少なく、長時間の乗車でもあまり疲れなかった印象でした。
他の特急列車などと比べ、シートピッチが広めにとられているため、足元は広々しており、足を組んでもなお余裕があります。考えすぎかもしれませんが、座席を向い合せにして4人で使用した場合、すこし距離感が出てしまうのではないかと感じるくらいです。
「リゾートあすなろ竜飛」に揺られ、北海道新幹線の高架橋などを眺めながら三厩に到着した後は、青函トンネルの本州側入り口を見に行ったりしてから、津軽線の普通列車で「津軽二股」駅で下車、北海道新幹線の開業前だったので当時の津軽今別駅も見てきました。
津軽今別の駅舎も、八戸線色のキハ40も今はもう見ることのできないのが不思議です。
この津軽今別駅を颯爽と通過していった789系「スーパー白鳥」は改造を経て「ライラック」として道央で第二の車生を送っています。
当時は何気なく撮ったこれらの写真も今は撮ることが叶わないと思うと、日ごろの記録の大切さも思い知らされるように思います。
全くもって余談ではありますが、津軽今別駅最末期は、上りホームへ渡るために建設途中の新幹線ホームを横断する形になっており、合法的に新幹線の線路上に立つことが出来る非常に珍しい場所でした。
尋ねる人も少なくガランとした建設途中の新幹線ホームを下から見上げるというのはなかなか出来る体験ではなく、とても印象に残っています。