Sきっぷ (自由席往復割引きっぷ)

Sきっぷ」は2021年4月現在、JR 北海道、JR四国で発売されている企画乗車券で、往復乗車券と自由席特急券がセットになったものです。追加料金を支払えば指定席、グリーン席なども利用できるようです。正規料金よりもかなり割安に設定されていることも多く、発着駅も細かく設定されています。高頻度運転も売りの1つである高速バスに対抗する目的で設定されているのでしょうか。

かつてはJR東日本にも新潟地区に設定がありましたが、北陸新幹線の金沢延伸のタイミングで「新幹線Wきっぷ」へ衣替えする形で販売を終了しています。

 

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みどりの窓口で「Sきっぷ」を購入すると85mmマルス券で発行されます。自駅が発着駅でなくとも発売できるようです。経路などにより、多少券面に印字される注意書きは異なってくるのではないかと思います。

 

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マルス券のみでは一企画乗車券を取り上げただけで終わってしまいますが、一部の業務委託駅では常備券タイプの「Sきっぷ」を販売しています。

私は留萌本線 石狩沼田駅で購入しました。ほかにも実際に使用する道内の乗車券などもお願いしたのですが、係の方は電話と発行の手引きの様な冊子を使いながらスムースに発券してくださいました。地元の方がパラパラと「留萌まで」「旭川まで」とやってきてきっぷを求める姿は、ただ窓口があるだけではなく、地元の人にもしっかり認識されているのだなと感じました。 

かつて札沼線の終着駅でもあった石狩沼田駅は、今は留萌本線の一途中駅に過ぎず、配線も棒線駅ですが、改札口を抜けてホームへ出ると、2面3線だった面影が今も残り、対岸には駅名票なども残っています。

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設定区間の一部が「乗車券往復割引きっぷ」と「オプション特急券」というJR東日本お得意の乗車券+料金券タイプの分割タイプになってしまったものもある「Sきっぷ」。そして留萌-増毛が廃止された後も存廃問題に揺れ、全線廃止を避けるための妥協策なのか深川-石狩沼田までの存続を求める向きもある留萌本線。物珍しさも手伝って購入した常備券タイプの「Sきっぷ」もやがて券種、発行駅ともに過去帳入りしてしまうのかもしれません。