オホーツク、宗谷 平屋グリーン車の思い出 その2

その1の続きです。

前回はオホーツクの合造グリーン車に乗った時のことを書きました。

そして、いわゆる「キロ9」には乗れず仕舞いだと思っていたら…、というところでおしまいにしてしまいました。

「キロ9」への思いがけない乗車機会はJR北海道の「わが街ご当地入場券」の収集のために道北方面を旅した時にやってきました。

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せっかくの、そして恐らくまたとない「キロ9」への乗車。少しでも接する機会を増やそうと、翌日「キロ9」が入るであろう運用への乗車予定があるにも関わらず、深夜の稚内駅でお出迎えをしてみたりもしてみました。

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最終列車として最北端の駅、稚内へと到着するキハ183系は私以外に出迎える者もなく、乗客もまばらで、本当に引退が迫っている車両の予定外の入線なのかと疑いたくなってしまうくらい穏やかなものでした。しかし、そのおかげで、札幌駅とは違い、ホームを行きかう人や引っ切り無しに出入りする他の列車を気にすることなくのんびりと列車を眺めることが出来ました。

 

そして、美深でご当地入場券を仕入れてからいよいよ「キロ9」へ乗車します。 

(と言っても、この時はグリーン車の発売が中止されていたので、普通車指定席を確保し、乗車後に車内で差額を支払ってグリーン券を発券、座席の指定を受けるという形でした)

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 乗車後に手持ちのきっぷ類を手に車掌へグリーン席への変更を申し出、いよいよ「キロ9」へと移動しました。

マルス上発売されていない座席区分にわざわざ乗ろうという鉄分の濃い利用者は少ないと見え、結局終点の旭川までグリーン車を利用したのは私とご当地入場券収集を手伝ってくれた相方さんだけでした。

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定期運用がなく、今回のような突発的な代走が主な活躍の場だったこともあり、座席などは1世代、もしかしたら2世代前の座席がそのまま使われています。

キハ283系グリーン車に装備されているようなシートヒーターなどもなく、やや作りとしては簡素な印象を受けましたが、次はいつどこで走るか分からない車両に巡り会えた興奮は今でもよく覚えています。

車掌さんに発券してもらった車内補充券は、旭川駅改札口であえなく回収の憂き目にあってしまいましたが、こうして車内の様子を写真に残すことができ、なにより実際に車内で楽しく過ごすことが出来たという事実は、私の北海道の鉄道にまつわる大切な一コマです。

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長々とキハ183系の平屋グリーン車にまつわる思い出話を書いてみました。

当時としてはかなり思い切って実行に移したグリーン車への乗車。

今となってはもう乗ることのできない車両への乗車体験だったこともあり、「よくぞ決心した」とかつての自分を褒めてあげたい気分です(笑)

今も昔も私にとって特に優等列車グリーン車に乗ることは特別なことで胸躍るイベントですが、この楽しみを教えてくれたのが、私の場合はJR北海道気動車特急たちだったのかもしれません。

逆に言えば、ここでグリーン車に味をしめていなければ、私のお財布事情はもう少し豊かなままでいられたのかもしれませんがね…。