留萌本線 石狩沼田駅

 留萌本線の途中駅で唯一の簡易委託駅である石狩沼田駅

以前取り上げた「Sきっぷ」の常備券もこの駅で買い求めたものでした。

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2016年の訪問時には、この「Sきっぷ」の他に、乗車券や特急券も取り扱っていたので今回はそれらを取り上げます。

 

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 まずは常備券です。写真の留萌の他にも深川、恵比島への常備券の設定がありました。

 

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常備券の設定がない駅への乗車券は出札補充券での発行でした。実使用もかねて石狩沼田発のものを求めましたが、道内であれば他駅発でも(時間があれば)取り扱うとのことです。

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特急券などは料金補充券での発行ですが、道内の自由席のみ取り扱っているとのことでした。

 

存廃問題に揺れる留萌本線。留萌ー増毛廃止時にもフィーバーが起きたように、大きな動きが明らかになると訪問者は一気に増えることになると思われるので、気になる方は早めに訪問しておくと、のんびりとした本来の留萌本線の姿をよりたくさん眺めることが出来るかもしれません。

快速「エアポート」

新千歳空港と札幌、小樽を結ぶ、JR北海道の稼ぎ頭、快速「エアポート」

かつては旭川からやって来た「スーパーカムイ」の特急型列車が札幌駅でそのまま「エアポート」に化ける運用もありましたが、2016年春のダイヤ改正をもってこの運用は取りやめとなり、721系、733系での運用に統一されています。

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721,733系では6両編成のうち1両が「Uシート」として回転式リクライニングシートを備えた指定席車両として設定されています。

721系の場合、自由席車両でも転換式クロスシートなので、そこまで設備差が目立ちませんが、733系の自由席はロングシートなので、その差が目立つことになりそうです。

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Uシート」へは運賃に加えて座席指定券(2021年7月現在530円)が必要です。かつては上の画像の様にもう少しお手軽な値段で乗れたのですが、2016年春のダイヤ改正で520円に値上げされ、2019年の消費増税に併せて530円となり今に至ります。経営の苦しいJR北海道にとっては数少ない収益性の高い運用でしょうから、少しでも増収にもつなげようとしているようです。乗車時間は30分ほどですが、混雑することも多い「エアポート」において、快適な着席サービスを確実に提供する対価として合理的な値付けと個人的には思っています。

 

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現在は沙汰止みになっていますが、インバウンド対策が声高に叫ばれていた時には、新千歳空港駅の発着機能拡張や「エアポート」の増発が叫ばれていました。これが現実になるとどうなるか分かりませんが、現状では「エアポート」の号数には他の列車ではなかなか見られない特徴があります。

 

時刻表を眺めてみると始発のエアポートでも50号、61号とすでに2桁で、朝晩を中心に欠番を挟みつつ210号、227号で終わっています。15分ヘッドの高頻度運転とはいえ、あまりに番号が大きく、定期列車としては不自然な欠番も目立ちます。

これは号数の百、十の位は新千歳空港駅および札幌駅の発車時間帯を示していて、一の位が発車順を表しているためです。下りに奇数で、1から9の順、上りに偶数で0から8と振られるのは他の列車と同様です。

例えば、新千歳空港を9時台に出発する3本目の「エアポート」は95号。札幌駅を17時台に出る2本目の「エアポート」は172号となります。現在は基本的には15分ヘッドで運転されているため、指定券を買う時に出発時間の見当をつけるのに便利と言えるかもしれません。

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朝夕に「特別快速 エアポート」が設定されるなど、攻めの姿勢も見られる一方で、近代的な外観の721系も初期車を中心にそろそろ車齢30年を迎え、札幌圏を出入りする車両の中では高齢な部類に入ります。すぐに置き換えが具体化することはないでしょうが、当たり前に見られた711系過去帳入りしてしまったように、いつかは「エアポート」にも世代交代が訪れるのでしょう。

 

 

 

上信電鉄 高崎駅

 高崎駅にはJR東日本高崎線信越線、八高線上越北陸新幹線が乗り入れていますが、そのホームの隅には上信電鉄のホームもあります。上信電鉄は高崎を起点に世界遺産富岡製糸場の最寄り駅である上州富岡を通り、ネギで有名な下仁田に至る私鉄です。途中にはマンナンライフの工場もあり、同社のラッピング列車も走っています。

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 車両面ではマスコット的存在のデキのほか、西武鉄道から譲渡された車両を中心に構成され、自社発注のVVVFインバータ制御車を導入したり、お隣のJRを走っていた107系を導入し様々な塗装をまとわせたりとバラエティーも豊富です。

 

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 高崎駅では自動券売機によるきっぷの販売もありますが、窓口でお願いすると各種硬券きっぷを発売してくれます。富岡製糸場までの往復割引きっぷなど実用性の高いものから、新型車両の導入記念などの各種記念乗車券、入場券まで、鉄道グッズを含めて色々とあるので、気を抜いているとあっという間にお財布が軽くなってしまう窓口です。

 入場券はなぜか赤文字で印刷されていました。

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 2014年に開業した「佐野のわたし」までの乗車券も一緒に購入しました。JPR地紋でした。

 

 さて、せっかくなので上記の赤文字入場券を実使用してホームに入ってみると、ホームの待合室として廃車になった車両が「シルクの間」として活用されていました。公式ホームページにも「電車型待合室」と表記されています。ネットによると2015年から利用されているようです。

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 車内(室内?)の様子です。出入り口入ってすぐに自販機がおかれ、おそらく種車の座席をそのまま活用したロングシートがあり、そこに机が追加されています。奥へ進むとJR211系の平屋グリーン車から転用したとも思われるリクライニングシートが並んでいます。2017年の訪問時には非常に良好な保存状態で、リクライニングや座席の回転機構もしっかりと作動していました。

 写真だと分かりにくいですが、左右で座席モケットが微妙に異なっており、1階席と2階席それぞれから流用したと思われます。また、天井にSuica リーダはありませんが、現役時代そのままにSuicaグリーン券の利用法を示すステッカーがそのまま残されています。

 

鉄道好きなら楽しめること請け合いの「電車型待合室」。入場券は180円なので、きっぷ収集と待合室訪問を兼ねると考えればお値打ちかもしれません。新幹線の乗り換えなどで高崎駅でお時間ある方は是非どうぞ。

 

2019年の根室駅

 

2017年の根室駅で取り扱われていた総販入場券と根室駅、東根室駅の硬券入場券を取り上げましたが、今回はその2年後、総販システムとわがまちご当地入場券の販売が終了する直前、2019年9月に根室駅を再訪した時に買い求めた入場券をご紹介します。

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総販システム、マルスシステム両方で入場券を発見してもらいました。2017年と特に大きな違いはありません。

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消費税率の引き上げに伴い、2019年9月いっぱいで販売を終了した「わがまちご当地入場券」です。根室駅では東根室駅のご当地入場券のみを発売していました。

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東根室駅が日本最東端の駅であることが全面にアピールされています。発行個所はちゃんと「根室駅」になっています。

 

ちなみに、東根室駅には「日本最東端の駅」として表示がありますが、根室駅にも「日本最東端」の表記があります。

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逆光で少し読みにくいかもしれませんが「日本最東端の有人駅」だそうです。

「本州最北端の駅」である下北駅の隣にある大湊駅が「本州最北の終着駅」を名乗るくらいですから、ある意味「最も○○」な要素を見つけたもの勝ちという側面はあるかと思いますが、探してみると色々な「日本最○○」な駅があるのかもしれません。

E4系「MAX」車内の様子

2021年秋の引退が発表され、別れを告げるステッカーの掲出も行われている上越新幹線E4系"MAX"。

1階席と2階席をうまく使い分けて様々なニーズと旺盛な輸送需要に応えた車両も間もなくその歩みを止めることになります。 

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 そんなE4系の指定席券にまつわる表記を以前取り上げましたが、今回は指定席券で指定されて座ることになる座席について取り上げてみたいと思います。

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E4系は2編成繋げて最大16両で運用につくことがあり、写真の一部も16両編成として運用に入っているときの写真も含まれますが、ここでは8両編成での運用を想定して1-8号車として表記します。この数字に8を足すことで16両編成の場合の9-16号車についても当てはめることが出来ます。

 

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まずは7,8号車2階のグリーン車から。他の新幹線車両と同じく2+2の座席配置でシートピッチは1160mmです。フットレストはパイプ様で簡素ですが、その代わりにレッグレストが装備されています。

背ずりが比較的高く、シートの厚みもあるので快適性は高いですが、逆に前の座席の利用者が思い切りリクライニングしてくると圧迫感が出てくるのも確か。こればかりはお互い様と言ったところでしょうか。

 

続いて普通車を取り上げますが、位置によって座席の配置や構造が異なっているのがE4系の特徴です。

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通常は指定席として発売される4-6号車の2階席です。E2系E5系など他の新幹線車両と同じく、新青森、新潟方に向かって右側に3人掛け、左側に2人掛けのフリーストップ式リクライニングシートが並びます。シートピッチも標準的な960mmですが、E5(H5)系やN700シリーズのシートピッチに慣れてしまうと少し狭く感じるかもしれません。

 

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続いては、自由席として運用につくことの多い1-3号車の2階席です。MAXシリーズの特徴の1つである3x3の転換式クロスシートが並びます。この1列6席配置により、着座定員を大幅に増やすことに成功しています。16両編成で運用される際の定員はデッキのジャンプシートまで含めて1634名で、世界の高速鉄道の中でも指折りの収容力です。

 

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1階席は1-8号車を通して同一の構造で、下り方向進行方向に向いて左に3人掛け、右に2人掛けのフリーストップ式回転式リクライニングシートが並びます。重量バランスなどの関係からか、2人席と3人席の配置が2階席と入れ替わっています。

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1階席に座り、東京駅のホームを眺めた様子です。窓の下端がホームの高さと重なるくらいの低さです。また、1階席特有の閉塞感を少しでも緩和するためか、シートモケットはやや明るい褐色調のものが採用されています。


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初の2階建て新幹線としてデビューしたE1系と、E1系の改良版とされ、1列車で在来の新幹線の約2倍の定員を確保できると話題になったE4系。ホームに佇んでいるだけでも圧倒される存在感は今でも褪せることはありませんが、E1系はすでに引退し、間もなくE4系も引退を迎えます。MAXシリーズとしての後継形式はなく、上越新幹線の運用は2階建て車両を持たないE2/E7系が担います。

 今の新幹線車両の中では、最高速度240km/hという性能もネックかと思いますが、運用を終えるその日までその頼もしい車体を見届けたいと思います。