E4系「MAX」車内の様子

2021年秋の引退が発表され、別れを告げるステッカーの掲出も行われている上越新幹線E4系"MAX"。

1階席と2階席をうまく使い分けて様々なニーズと旺盛な輸送需要に応えた車両も間もなくその歩みを止めることになります。 

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 そんなE4系の指定席券にまつわる表記を以前取り上げましたが、今回は指定席券で指定されて座ることになる座席について取り上げてみたいと思います。

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E4系は2編成繋げて最大16両で運用につくことがあり、写真の一部も16両編成として運用に入っているときの写真も含まれますが、ここでは8両編成での運用を想定して1-8号車として表記します。この数字に8を足すことで16両編成の場合の9-16号車についても当てはめることが出来ます。

 

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まずは7,8号車2階のグリーン車から。他の新幹線車両と同じく2+2の座席配置でシートピッチは1160mmです。フットレストはパイプ様で簡素ですが、その代わりにレッグレストが装備されています。

背ずりが比較的高く、シートの厚みもあるので快適性は高いですが、逆に前の座席の利用者が思い切りリクライニングしてくると圧迫感が出てくるのも確か。こればかりはお互い様と言ったところでしょうか。

 

続いて普通車を取り上げますが、位置によって座席の配置や構造が異なっているのがE4系の特徴です。

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通常は指定席として発売される4-6号車の2階席です。E2系E5系など他の新幹線車両と同じく、新青森、新潟方に向かって右側に3人掛け、左側に2人掛けのフリーストップ式リクライニングシートが並びます。シートピッチも標準的な960mmですが、E5(H5)系やN700シリーズのシートピッチに慣れてしまうと少し狭く感じるかもしれません。

 

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続いては、自由席として運用につくことの多い1-3号車の2階席です。MAXシリーズの特徴の1つである3x3の転換式クロスシートが並びます。この1列6席配置により、着座定員を大幅に増やすことに成功しています。16両編成で運用される際の定員はデッキのジャンプシートまで含めて1634名で、世界の高速鉄道の中でも指折りの収容力です。

 

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1階席は1-8号車を通して同一の構造で、下り方向進行方向に向いて左に3人掛け、右に2人掛けのフリーストップ式回転式リクライニングシートが並びます。重量バランスなどの関係からか、2人席と3人席の配置が2階席と入れ替わっています。

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1階席に座り、東京駅のホームを眺めた様子です。窓の下端がホームの高さと重なるくらいの低さです。また、1階席特有の閉塞感を少しでも緩和するためか、シートモケットはやや明るい褐色調のものが採用されています。


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初の2階建て新幹線としてデビューしたE1系と、E1系の改良版とされ、1列車で在来の新幹線の約2倍の定員を確保できると話題になったE4系。ホームに佇んでいるだけでも圧倒される存在感は今でも褪せることはありませんが、E1系はすでに引退し、間もなくE4系も引退を迎えます。MAXシリーズとしての後継形式はなく、上越新幹線の運用は2階建て車両を持たないE2/E7系が担います。

 今の新幹線車両の中では、最高速度240km/hという性能もネックかと思いますが、運用を終えるその日までその頼もしい車体を見届けたいと思います。