H5系小変化

 

先日、(狙って)H5系が充当された「はやぶさ」に乗ってきました。

35編成を超え、40編成に迫ろうかという勢いで増備が続くE5系とは対照的に、H5系は北海道新幹線開業時から4編成の小所帯。かつ2編成は突発的な運用変更や青函トンネル内での緊急事態に備えて函館の車庫で待機という、半ばニ―トレイン 箱入り娘っぷりはレアもの感を際立たせています。

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外見はラベンダー色の帯と、北海道の形をしたサイドステッカーが目印で、しっかりとE5 H5を見分けることができます。

内装は識別の難易度がやや上がり、E5 H5と写真を見比べれば違いがわかる、という程度の差異なことが多いです。化粧板の木目が縦だったり横だったり…。

ただ、モチーフがアイヌ文化の文様だったり、雪の結晶(スノーフレーク)だったりするので、北海道的な要素に気付ければ「隠れミッキー」的なノリでいろいろと違いに気づけるかもしれません。

北海道新幹線区間は乗務員もJR北海道が担当し、チケッターもE5 H5をかたどったものを押してくれます。基本的に車内検札などはないため、車掌さんに直接頼まないと押してくれませんが、旅の記念にと思う方は、車掌さんがお手すきなときにお願いしてみてはいかがでしょうか。

 

さて、そんなH5 系ですが、6月頃から車外の複数個所に新しいステッカーが掲出されています。(E5系にはTreasure land TOHOKU JAPANのステッカーが随分前から掲出されていますね)

それがこちら

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青函トンネル開業30周年を祝うステッカーです。

軽やかに描かれた新幹線に、しっかりラベンダー色の帯が巻かれているあたり、JR北海道の新幹線であることを強調しているように見えます。

 

新幹線(→標準軌の列車)が通れる規格で設計、建設された青函トンネルですが、オイルショック国鉄の財政状況の影響を受け、新幹線サイズで完成したものの、2016年春の北海道新幹線開業までは「津軽海峡線」として在来線での営業でした。

快速「海峡」の50系客車から789系の特急「スーパー白鳥」。そしてひたすらに夜を駆けつづけた「はまなす」。津軽海峡を結ぶ役目はE5 H5 「はやぶさ」へ引き継がれました。

青春18きっぷや北海道・東日本パスでは津軽海峡を渡りにくくなってしまいましたが、これからも本州と北海道をしっかりと結び付けてほしいものです。

 

乗る列車も時代も変わり、かつてを知る者は失われた風景に目を奪われがちですが、北海道から来たことを告げるステッカーを誇らしげに掲げながら、ラベンダー色の帯を締めた新幹線が東京駅のホームに滑り込む。これが今の、これからの長距離列車の姿なのかもしれませんね。

 

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思わしくない経営状態の中、日々奮闘するJR北海道。半官贔屓かもしれませんが私はどうしても応援してしまいます。

 

 

徒然なるままにジョイフルトレイン その3

 

 なるべく北から、ジョイフルトレインをアップしていますが、今回はSLです。

2018年現在、JR北海道で唯一運行されているSL、「SL冬の湿原」号です。

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釧路と網走を結んでいる釧網本線の釧路ー標茶で冬の土休日を中心に運行されています。SLニセコ号、SL函館大沼号などがATS設置の問題で運航休止に追い込まれる中、季節限定の臨時列車とはいえ、北海道内唯一のSL旅客列車として走り続けています。

もっとも、エゾシカなどとの衝突を避けるために急制動することも日常茶飯事で、そのせいか車輪に傷がつくなどの故障が頻発し、「DL冬の湿原号」としてディーゼル機関車が代役として駆り出されることもしばしばです。

筆者乗車時は写真のようにC11-171でしたが、東武鉄道に譲渡される前は「カニ目」の愛称もあるC12-207での走行もあったようです。その時もやはり「カニ目」の調子はイマイチだったとか…。

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乗車日前の2,3日は気象台が不要不急の外出を控えるよう呼びかけるくらいの悪天候で、すごい地吹雪でした。そのため、ホームの反対側から列車を撮影しようとするとこんな感じに。SLの2エンドを頭にして運転する様子が珍しかったので、撮ろうとしたのですが、SLならではの大きな動輪が隠れてしまうくらいの積雪量なのでした。

さすが試される大地、北海道。。。

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車両は14系客車と旧型客車の混結で、全車指定席、ボックスシートです。

14系はデフォルトでは簡易リクライニングなはずなのに、旧型客車に合わせてボックスシートに換装したそうな。

車内はボックスシートの他にダルマストーブもあり、車内販売でするめを買い求めれば、ストーブの上で焼くこともできます。もちろん車内販売はするめ以外にもお土産品や甘いものなどの品ぞろえもいろいろありました。

シートは換装され、塗装も茶色ベースに塗り替えられていますが、発電エンジン搭載車両は何事もなかったかのようにエンジン音を轟かせていました(笑)

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サボにも描かれているように、この列車の車窓からはタンチョウヅルがよく見えます。汽笛の音などももう慣れっこなのか、列車が近づいても逃げる素振りすら見せません。

さすがに本当に近くなると飛び立ちますが、「この場所の主役は俺たちなんだぞ」という余裕のような何かを感じます。

釧路湿原ノロッコ号もそうですが、雄大な自然をゆっくりと列車で進んでいると、この地では自然やその地で暮らす生き物たちが主役で、人間はあくまでその中で間借りしているような感覚になります。

警笛を鳴らしているにも関わらず、線路の真ん中で悠然とこちらを見ているエゾシカを見た時は流石に少しイラッとしましたが(笑)

 

 

ちなみに余談になりますが、筆者が乗車した2015年はJR北海道ツインクルプラザから旅行商品が発売されており、札幌から網走までのオホーツク、網走から流氷ノロッコ号知床斜里から標茶まではガイドさん付のツインクルバス、標茶からはSL冬の湿原号、釧路から札幌までのSおおぞらというツアーがありました。冬の道東を満喫できるコースだと思うので、これからも設定されるかはわかりませんが、興味のある方は是非(笑)。

 

どたばたとぬくもり飛騨路

金曜17時半。一週間が終わった解放感に浸りながら、自室の時刻表をぱらぱら見ていたら、翌土曜日に高山本線で臨時急行「ぬくもり飛騨路」が走ることを発見。えきねっとは当然として、サイバーステーションも空席照会に対応していないだろうと踏んで、JR東海の問合せ窓口に直接Tel.
その問い合わせ時点では通路側2席のみ残っているとのことだったので、急いで最寄りのみどりの窓口へ。ラスト1席になっていた通路側席を確保しました。

 

当日になり、乗換駅などで空席照会をしても残0の回答ばかり。このまま乗ろうかと半ばあきらめていたら、乗車駅である名古屋駅で何と窓側への座席移動に成功!

せっかくの初、高山本線。列車だけでなく景色も満喫できる体制を整えて、いざホームへ。

 

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名古屋駅在来線ホームの発車案内板。首都圏のそれとはまた違い、小さなことかもしれないけれど、遠くに来た雰囲気に一役買っている気がします。

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そして乗車した「ぬくもり飛騨路」号のキハ85系

東海圏内ではおなじみの特急型気動車ですが、置き換えの話もチラホラ聞こえてきていますので、のんびり記録できる今のうちにゆっくり楽しんでおきましょう(笑)

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さて、この「ぬくもり飛騨路」号。オーソドックスな車両が使われていますが、ソフト面がなかなか充実しているというか、力が入っていた印象でした。

記念乗車証の他に、車内販売のメニュー表もこの列車専用のもの。また、グッズやフードメニューの一部もこの列車専用のラインナップになっていました。そして、沿線自治体の方々が観光パンフレットなどを配ってくださるので、列車の座席に座りながら、さながら「わが街観光名所ファッションショー」の様相。

個人的には高山本線デビューも兼ねていたので、沿線にどのような施設や観光地があるのかを一度に知ることが出来るので、とても助かりました。

 

沿線自治体の方はもちろん、車内販売ワゴンの売り子さん、JR東海、東海ツアーズの社員さんと思われる方まで、Staffと思しき方々が皆さん笑顔でお仕事されている様子はとても印象的でした。

 

なんの前情報もなく着いた、終点、飛騨古川は映画「君の名は」の聖地なんだそうな。今でも観光スポットとして、しっかりと人気な様です。

駅から徒歩数分のところにある「たんぼの湯」で日帰り温泉を楽しんだ後、後続の「ワイドビューひだ」で一路富山へ。つい先ほどまで同系列車両に乗っていたこともあり、富山までの短時間ではありますが、パノラマグリーン車へ課金。

途中、寝落ちしたので、パノラマを満喫できたわけではありませんでしたが、しっかりとした設えの座席で過ごすゆったりとした時間は、やはり特別なものですね。

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富山に到着後、発車直前のあいの風とやま鉄道「とやま絵巻」車両をチラリと見た後、富山地鉄などで少し切符収集をして、「かがやき」で一路首都圏へ。

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前日に睡眠不足の中ドタバタ急ぎ準備したせいか、ぬくもり飛騨路でテンションが上がっていたのか、富山発車後、大宮まで記憶がありません汗。

 

ジョイフルトレインなどの波動輸送に特化した車両がなく、臨時列車についてはやや影の薄い感のあるJR東海ですが、その分ソフト面で文字通り「ぬくもり」ある、温かいサービスを提供してくれていました。

臨時列車とはいえ、各季節に数回設定されている「ぬくもり飛騨路」。タイミングが合えば、紅葉の様子などをまた見に行きたいものです。

 

kenji ついに引退???

 

 

JR東日本 盛岡支社から気になる旅行商品のお知らせが入ってきました。

キハ58系列最後の生き残りであるジョイフルトレインkenji」が「まもなく運行を終了」するとのことです。

 

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国鉄爆発解体され、新生JRとなりジョイフルトレインが各地で誕生し、走り回っていた1992年に生まれ、今日まで北東北を中心に走り続けてきました。

しかし、寄る年波には勝てず、ついにこのたび運転終了が決定したようです。

具体的な運転終了=引退 時期は明言されていませんが、運行サイドであるJRから公式に発表があった以上、今後数か月単位のスパンで引退が現実のものとなることでしょう。

 

kenjiは(国鉄北海道総局→)JR北海道の「アルファコンチネンタルエクスプレス(アルコン)」に似た部分が多く、第一印象では種車がどのようなものだったかうかがい知ることはなかなか難しいですが、よく目を凝らすと、中間に封じ込められている運転台が原型車そのままだったり、開閉のできないはめ込み式の窓になっていますが、窓の寸法が(おそらく)そのままだったりと、改造以前の面影をうっすらですが感じ取ることが出来ます。

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中間の2号車に組み込まれているキハ28-2010は昭和36年製の車両で、運転台のガラスもパノラミックウィンドウではなく、キハ58系列初期車の特徴でもある、平面ガラスの組み合わせになっています。

この頃はまだ曲面ガラスの生産コストが高かったため、485系列のボンネット型運転台や、一部電気機関車などへの採用にとどまっていたようです。

 

 

引退が発表された以上、これからは沿線、駅構内にお葬式屋さん熱心な鉄道ファンが大挙して押し寄せることと思います。

ラストランを終えるその時まで、側面に描かれた「わんこきょうだい」と一緒に、kenjiが無事に走り切れるよう祈らずにはいられません。

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リゾート那須野満喫号とSLもおか

 

八王子から武蔵野線経由で黒磯まで向かう、リゾート那須野満喫号。ぼーっとしていたら満席になってしまい、半ばあきらめていたのですが(大宮からなら何度か空席が出たようでした)、また前日にキャンセルを拾えたので、「休日おでかけパス」を急きょ仕込んでお出かけすることに。

 

485系種車の「リゾートやまどり」を使用したリゾート那須野満喫号。

八王子の駅にこの車両が入線することはあと何回あるんでしょうか。。。

 

 

 

 

 

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リゾートやまどりとは小山でお別れして、水戸線へ乗り換え。

続いてのお目当てはこちら。真岡鉄道SLもおか号。

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真岡にある車庫から下館まではDE10が先頭を務め、SLが客車と一緒にぶら下がるものとばかり思っていましたが、乗車した日はDE10が大宮で検査を受けているとかで、両端がSLと言う重連とはまた違った豪華仕様になっていました。

 

しかし、この豪華仕様を喜んだのもつかの間、牽引機不具合とのことで、下館行だったSLは真岡で運転打ち切り、それ以降のSLは終日運休とのお知らせが…。

(乗車日がばれてしまいますね(笑))

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ややテンション下がり気味なSLもおか号車内の様子です。

 

12,14系や旧型客車ともまた違う、セミクロスシートの車内はどことなく「普段着」な雰囲気。

鉄ちゃんが揃いもそろってボックスシートにびっちりと埋まっている超人気列車と違い、のんびりとした雰囲気が流れていました。

ボックス席に腰掛け、隣に荷物を置いてのんびり文庫本を読んでいると、SLの汽笛が聞こえてくる。コンスタントにSLが走っている区間だからこそできる、贅沢なSL列車の使い方かもしれません。

 

 

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真岡駅で運転が打ち切られた後、SLは検修庫へ足早へ引き上げていき、引き込み線には3両の50系客車が残されていました。普段はなかなか見られない風景と思っていたのですが、客車列車全盛のころは何のことはない、ありふれた景色だったのですよね。

 

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客車を思う存分眺めた後は、真岡駅併設のSLキューロク館へ。

北海道で活躍していた9600や旧型客車がここ、真岡で再会し保存されています。

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そして、この9600型。なんと圧縮空気で動くんです。

石炭をくべて蒸気を作り出しているわけではないため、SL独特の熱気や香りには乏しいん印象ですが、汽笛を鳴らしながら動く、大きな機関車はやはり貫録があります。

 

そのあとは、真岡、茂木、益子の各駅で販売されている硬券入場券を購入し退散としました。小山駅水戸線を降り、真岡駅で仕込んだ新幹線特急券を使うべく、電光掲示板を見上げたところ、なんと朝乗った「リゾート那須野満喫号」が間もなく来るとの表示。思わずみどりの窓口に駆け込み、乗車変更をかけてしまいました(笑)。

 

そんなこんなで、485系と50系に揺られた行き当たりばったりな一日でした。

 

 

=余談=

「ぶつからない車」で有名になった「SUBARU」。今は社名も「SUBARU」なんだそうですが、旧会社名は「富士重工業」。

この富士重工はかつて鉄道車両も作っていました。

そして、この富士重工が作った最後の鉄道車両真岡鉄道のモオカ14-1,2です。

日本車両で製造された他の車両との差異は銘板を除けばわずかですが、車だけに満足できない「スバリスト」の皆さんは一度探してみてはいかがでしょうか

って、こんな記事数も少ない鉄ヲタブログを見ているわけないか…。