徒然なるままにジョイフルトレイン その3

 

 なるべく北から、ジョイフルトレインをアップしていますが、今回はSLです。

2018年現在、JR北海道で唯一運行されているSL、「SL冬の湿原」号です。

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釧路と網走を結んでいる釧網本線の釧路ー標茶で冬の土休日を中心に運行されています。SLニセコ号、SL函館大沼号などがATS設置の問題で運航休止に追い込まれる中、季節限定の臨時列車とはいえ、北海道内唯一のSL旅客列車として走り続けています。

もっとも、エゾシカなどとの衝突を避けるために急制動することも日常茶飯事で、そのせいか車輪に傷がつくなどの故障が頻発し、「DL冬の湿原号」としてディーゼル機関車が代役として駆り出されることもしばしばです。

筆者乗車時は写真のようにC11-171でしたが、東武鉄道に譲渡される前は「カニ目」の愛称もあるC12-207での走行もあったようです。その時もやはり「カニ目」の調子はイマイチだったとか…。

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乗車日前の2,3日は気象台が不要不急の外出を控えるよう呼びかけるくらいの悪天候で、すごい地吹雪でした。そのため、ホームの反対側から列車を撮影しようとするとこんな感じに。SLの2エンドを頭にして運転する様子が珍しかったので、撮ろうとしたのですが、SLならではの大きな動輪が隠れてしまうくらいの積雪量なのでした。

さすが試される大地、北海道。。。

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車両は14系客車と旧型客車の混結で、全車指定席、ボックスシートです。

14系はデフォルトでは簡易リクライニングなはずなのに、旧型客車に合わせてボックスシートに換装したそうな。

車内はボックスシートの他にダルマストーブもあり、車内販売でするめを買い求めれば、ストーブの上で焼くこともできます。もちろん車内販売はするめ以外にもお土産品や甘いものなどの品ぞろえもいろいろありました。

シートは換装され、塗装も茶色ベースに塗り替えられていますが、発電エンジン搭載車両は何事もなかったかのようにエンジン音を轟かせていました(笑)

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サボにも描かれているように、この列車の車窓からはタンチョウヅルがよく見えます。汽笛の音などももう慣れっこなのか、列車が近づいても逃げる素振りすら見せません。

さすがに本当に近くなると飛び立ちますが、「この場所の主役は俺たちなんだぞ」という余裕のような何かを感じます。

釧路湿原ノロッコ号もそうですが、雄大な自然をゆっくりと列車で進んでいると、この地では自然やその地で暮らす生き物たちが主役で、人間はあくまでその中で間借りしているような感覚になります。

警笛を鳴らしているにも関わらず、線路の真ん中で悠然とこちらを見ているエゾシカを見た時は流石に少しイラッとしましたが(笑)

 

 

ちなみに余談になりますが、筆者が乗車した2015年はJR北海道ツインクルプラザから旅行商品が発売されており、札幌から網走までのオホーツク、網走から流氷ノロッコ号知床斜里から標茶まではガイドさん付のツインクルバス、標茶からはSL冬の湿原号、釧路から札幌までのSおおぞらというツアーがありました。冬の道東を満喫できるコースだと思うので、これからも設定されるかはわかりませんが、興味のある方は是非(笑)。