徒然なるままにジョイフルトレイン その9 ノースレインボーエクスプレス

JR北海道が誇る(?)苗穂工場で新製された「ノースレインボーエクスプレス」。ここ数年は定期特急列車の代走役としての運用が目立ちますが、生い立ちは(汎用性の高い)ジョイフルトレインと言えます。 1992年の製造から、道内の様々な臨時列車に充当されただけでなく、ED79に牽引され青函トンネルを通り、本州での走行実績もある車両です。

f:id:goronto_akebono:20200408233337j:plain

 5両編成であることから「ニセコエクスプレス」など他のリゾート列車より定員が多いこの列車は、最高時速130km/h運転に対応していて、現在でも定期特急列車と比べても遜色ない走りを見せてくれます。予備車の少ないキハ2810番台の代走として道北系統の代走として安定した走りを見せ、列車火災が相次ぎ、充当できる車両が極めて限られていた時にも臨時「北斗」に投入され、多くの乗客を運びました。 

f:id:goronto_akebono:20200408232416j:plain

 

車内はハイデッカー構造を基本として、キャビンには天窓を設け、オーディオ装置なども備え付けられています。また、キサハ182型はダブルデッカーで、1階にはラウンジとブッフェコーナーがあります。プラグドアと併せ、登場当時のリゾートブームの雰囲気をそのまま残している印象です。製造時期が近いこともあるのかもしれませんが、ハイデッカー構造+天窓の組み合わせからか、車内の雰囲気は京都丹後鉄道(北近畿タンゴ鉄道)KTR001型に似たものを感じます。

f:id:goronto_akebono:20200408232334j:plain

 

私は北海道新幹線開業直後に新函館北斗-函館でチョイ乗りしたのみで、このノースレインボーエクスプレスの走りを満喫したわけではないですが、役目を終えたDD51などと並ぶノースレインボーエクスプレスを撮影できました。

f:id:goronto_akebono:20200408233407j:plain

  

キハ56系を改造した「アルファコンチネンタルエクスプレス」に始まり、国鉄分割民営化前後から改造、新造された北海道のリゾート編成も、残すはこのノースレインボーエクスプレスのみ。定期特急の代走や各種臨時列車、団体列車などに今も充当され、目立った故障の話なども聞くことは少ないですが、JR北海道はすでにイベント用としてキハ2615000番台の製造を発表しており、このノースレインボーエクスプレスの引退もそう遠くない話と思われます。定期運用がないということは次の運用がいつか分からないということでもあり、乗車の機会があれば狙ってみたいなと個人的に思っている列車の一つです。