上田電鉄 城下駅と7200系

北陸新幹線しなの鉄道が通る上田駅から別所温泉駅までを結ぶ上田電鉄 別所線。

分岐していた路線の廃止や、「上田丸子電鉄」「上田交通」など数回の社名変更を経て現在の路線長、社名に至っています。

自社発注車の特徴的な戸袋窓から「丸窓電車」の愛称で親しまれている別所線ですが、2019年9月の台風19号により千曲川にかかる鉄橋が流出したため、現在は上田-城下間はバス代行、鉄道輸送は城下-別所温泉区間運転となっています。

台風被害からの復興に向けて取り組んでいる上田電鉄。2021年の運転再開を見込んでいるとのことです。

 

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手持ちのきっぷを探してみたところ、城下駅の印字があるものが1枚ありました

ちょうど現在行われている区間運転の部分に相当する普通乗車券です。おそらく数年前の日比谷公園で開かれた鉄道フェスティバルで購入した使用済み券の中に含まれていたものと思われます。

消費増税の影響を受け、「運賃変更」「540円」がそれぞれ押印されています。

 

現在は元 東急1000系譲受した1000系/6000系で車種が統一されている上田電鉄ですが、2018年までは「ダイヤモンドカット」と呼ばれた前面形状が特徴的な元 東急7200系が主力として活躍していました。

別所線からは全車引退してしまった7200系。しかし、別所線を走ったことのある車両が長野からは離れた豊橋で今も元気に走っています。

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 豊橋鉄道2810F。この編成の新豊橋方2両は上田電鉄での走行経験のある車両です。豊橋鉄道の車庫火災にともなう車両焼失を補う目的で、豊橋鉄道が部品取りとして確保していた車両と上田電鉄からの譲渡車両とを組み合わせて生み出された編成のようです。

 

思いがけない(であろう)形で東急→上田→豊橋と走る場所を転々とした2両。もといた上田にいた仲間たちよりも長く走り続けることになるとは思っていなかったことでしょう。

 

上田電鉄豊橋鉄道をはじめ、全国各地、津々浦々へ譲渡されていった東急7000系列。譲渡先での活躍期間のほうが長い車両も現れ、東急1000系東京メトロ03系などの18m級車体を持つ、より新しい車両への置き換えも進んでいます。ステンレスカーのパイオニアたちの活躍もそろそろ終着駅が近いのかもしれません。