阿佐海岸鉄道 さよなら記念きっぷと鉄道車両

 阿佐海岸鉄道DMV見学会の時に、宍喰駅の窓口で「さよなら阿佐東線記念 硬券セット」も購入しました。有効期間が「DMV運行開始、前日までの1回に限り有効」となっている点が珍しいかと思います。 (ということは、このきっぷを現地に持参すれば2021年1月現在運転されている代行バスに乗れるということ…?)

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 3駅の入場券と、片道乗車券が丁寧に台紙に収められています。券面には阿佐東線のイセエビ駅長やカボス、ポンカンなどのイメージキャラクターの他に、2両の鉄道車両もデザインされています。

 

 阿佐東線生え抜きの車両と運命のいたずらで遠く高千穂からやって来た車両。南国の高架線を行き来した車両の様子を少し取り上げます。

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 ASA-100 型 「しおかぜ」は阿佐東線開業時に製造された自社発注車で、先行して転換開業していた土佐くろしお鉄道のTKT-8000型をベースにしています。標準仕様のASA-100型(101 しおかぜ)とイベント仕様のASA-200型(201 あさしお)が1両ずつ用意されましたが、「あさしお」は2008年に脱線事故を起こし事故廃車、解体となっています。

 

 車内は乗降部付近がロングシート、車両中央部はシートバックのやや高い転換クロスシートになっていて、クロスシートにあたる場所は窓が大きくなっています。これもTKT-8000型と共通です。路線長が短いためか、トイレの設備はありません。

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1992年の製造から2020年11月の引退まで阿佐東線を走り続けたASA-100型は運用終了後、後輩にあたるDMVを見守りながら海部駅で保存される計画もあるようですが、2021年1月時点では明確なことは公表されていません。

 

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ASA-300 型「たかちほ」は、事故廃車になったASA-200型 あさしおの代替車両として2008年に廃線になった九州の高千穂鉄道からTR-200型の無償譲渡を受けて、2009年8月から運転を開始した車両です。当初は高千穂鉄道時代の外装のままでしたが、2010年3月からはスダチとポンカンをモチーフとした阿佐東線オリジナル塗装をまとい活躍を続けました。

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足回り、車内はイベント用の車両だった高千穂鉄道時代からそのままで、全車ボックスシートで車端部のロングシートはありません、また阿佐東線での使用実績は定かではありませんが、千鳥配置でマイクジャックなども備えています。運用終了後の去就については特に公式な発表はなく、個人的には車齢を考ると、このまま引退かと思っています。

 

 水害により突如その幕を降ろすことになった高千穂鉄道ですが、現存する車両は多く、九州を離れたこの車両の他にも、TR-100型、200型それぞれ1両が高千穂駅にそのまま保存されているほか、TR-100型2両が日之影温泉駅後で簡易宿泊所として活躍しています。また開業後に増備された、秋田内陸縦貫鉄道AN 8900型がベースの観光色の強いTR-300型も神楽酒造 トンネルの駅で塗装変更の上で現存しています。

 そして観光の起爆剤として2003年にTR-300型を置き換える形で導入されたTR-400型はJR九州へ譲渡され観光特急「海幸山幸」として再スタートを切っています。

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