[グランクラス] の数字たち
E5(H5)系, E7(W7)系の新函館北斗、金沢方先頭に連結されているグランクラスはグリーン車のさらに上をいくシートサービスです。豪華な革張りシートに加え、長距離列車ではアテンダントによる軽食と飲料の提供やアメニティグッズのサービスなどもあり、航空機のファーストクラスに対抗したともいわれます。今回はそんなグランクラスに乗るために必要なきっぷにまつわる、ほぼ誰も得しない数字のお話です。
グリーン車のさらに上と捉えられるグランクラスですが、運賃制度上はグリーン車の一種という扱いです。時刻表にも「グランクラス料金」との表記は見られますが、グリーン料金の項目の中で説明されています。券面も「グリーン券」と印字されます。
そんな「グリーン券(グランクラス券)」、通常のグリーン券と異なり、券面に表記される値段の横に細かな数字が並んでいます。北海道、東北、北陸の各新幹線の券面を見てみたいと思います。なお、券面に表示されている料金は現在とは異なっています。
新函館北斗-東京間アテンダントサービスのあるグランクラスに乗車した場合、券面に記載の通り特急料金、グリーン(グランクラス)料金の合計は26720円です。
その内訳は
東北新幹線分特急料金(¥6680)
北海道新幹線分特急料金(¥3930)
北海道新幹線分グランクラス料金(¥6860) となるわけですが、
[グランクラス]と書かれた隣に「N10100GE5140GH2750」と記載があります。
文字と数字の大きさからNは特急料金、G〇は通常のグリーン料金を表しているものと思われます。つまり、この数字の合計と実際に支払った金額の差が「グランクラス」に対して課される料金ということになりそうです。
JR東日本管内で完結する場合にも同様に特急料金と通常のグリーン料金が[グランクラス]の隣に印字されているようです。
JR東日本とJR西日本にまたがる北陸新幹線でグランクラスを利用した場合はこのように表記されます。北海道新幹線のものとは異なり、特急料金の配分は明記されていませんが、「GE 3090GW2060」と通常のグリーン料金と思われる金額が会社別に印字されています。
なぜ、このような印字がなされているのか理由はわかりませんが、JR東日本とJR北海道、JR西日本をまたがって利用する場合、新青森、上越妙高で料金が分割されることもあり、払い戻しや乗車変更時の会社間の配分などを明確にするためでしょうか。
突発的な運用変更などで、グランクラスが不連結になったり、アテンダントサービスの有無が変わる場合などにこの数字が役立つのかもしれません。
E5 系から始まり、E/W7 系、H5系にも拡大したグランクラスサービス。現在走行試験中の「ALFA-X」をベースにした量産車の新函館北斗方先頭車にもグランクラスが連結されるのでしょうか。それとも、COVID-19感染拡大に伴って一時的なサービス休止が発表されているので、そのままお蔵入りしてしまうのでしょうか。
一庶民としては、アテンダントサービスのない運用はもう少しお手頃価格にして、グランクラスに乗ること自体の敷居を下げてもいいように思うのですが…。