JR北海道 「乗車記念 使用済」

 旅行を終えたとき、有人改札へ寄り持ち帰りを申し出ると、多くの場合は快く了承してくれます。ただそれはあくまで窓口氏の善意で、きっぷ類は旅行終了後に回収されるのが原則です。そこに文句をつける筋合いは利用者である我々にはないのではと個人的に思っています。

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さて、その持ち帰りの際、そのままどうぞという時もありますが、磁気情報を無効にしたり、券面に「無効」や「使用済」と捺印したりすることもあります。多くの駅では「乗車記念 使用済」であったり「無効 〇〇駅」といったシンプルな印影なことが多いですが、駅によってはオリジナルの無効印を用意していることもあり、思いがけないところでオリジナル作品に遭遇するのもきっぷ趣味における出会いの一つなのかもしれません。

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そんな無効印、乗車記念印。JR北海道の場合は北海道の形の左上に「乗車記念」と記された共通の印影を採用しているようです。しかし、この共通であるはずの記念印のなかで、上に示す、網走で押してもらったこの印影だけはほかの印影とは異なっていることに最近気づきました。

 

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手元にあるほかのきっぷから記念印部分のみ切り出してみた比較画像です。「乗車記念」の部分が反転しています。この違いが生まれた理由は定かではありませんが、網走駅で捺印されたこの1つの後にも先にも、後者の印影にしか出会えておらず、いつか幻の記念印と再会できたらと思っています。f:id:goronto_akebono:20200410001651j:plain

 必死の経営努力が続くJR北海道。列車の減便や駅の廃止だけではなく、ここ数年は快速「エアポート」の増発やキハ261系の着実な増備など未来に向けた前向きな取り組みも形になってきています。網走-釧路間も輸送密度などから考えれば存続が危ぶまれる区間と言え、今後、地元の自治体などと存廃について議論があるかもしれません。