スーパービュー踊り子 1号車グリーン車

 2020年3月に「サフィール踊り子」としてデビューするE261系と入れ替わる形で運行を終了する「スーパービュー踊り子」とその専用形式として運用についていた251系。引退記念企画なども計画されており、機器の故障などに悩まされながらも、引退前の最後の輝きを放っています。

 アテンダントの乗務を前提とした乗降扉の配置やハイデッキ構造など、現在では実現することの難しい仕様がてんこもりのこの車両は先輩格に当たる185系よりも一足先に引退することになりそうです。

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そんな251系「スーパービュー踊り子」号のデビュー当時は1,2号車はグリーン車、グリーン個室。3ー8号車が普通車指定席、9号車と展望席を除く10号車はグループ利用を想定した普通車指定席(固定式ボックスシート)という構成でした。2002年より実施されたリニューアル工事の際に普通車の座席の換装と9,10号車のボックス席設定を終了し、その際に塗装変更も併せて行われ、現在の姿となっています。

グリーン車については普通車のリニューアルから5年が経った2007年に座席の換装がなされ、定員が減少しています。
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 そんなグリーン車の1号車展望室ですが、運転台から2号車方面を見る形で車内を眺めると写真のような1+2の座席配置となっています。2人掛け座席が海側でA,B席、1人掛けが山側でD席となっており、C席は欠番となっています。運転台側、伊豆急下田方面が1番で、デッキ、東京方が8番と付番されています。

 せっかくのハイデッキ展望席。一番いい眺望が得られる席に座りたいと思うのが人の気持ちのようで、えきねっとなどで空席照会すると最前列1番は埋まっていることが多いようです。「スーパビュ踊り子」と妙な略され方をしたこの特急券も「スーパービュー踊り子」が引退してしまうと、思い出の一ページとなってしまうことでしょう。

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個人的な印象ですが、JR東日本グリーン車はこのスーパービュー踊り子などのように幅広の座席、シートピッチを備えた3列仕様があるかと思えば、普通車と一見変わらないような2+2配置を取ることもあり、やや一貫性が無いような印象を受けています。

 「いなほ」に充当されるE653系では普通車からグリーン車への転用改造の結果、グランクラスよりもシートピッチの広いグリーン車というものまであり、形式ごとの違いを楽しむこともできますが、反面、グリーン料金に見合う設備なのか首をかしげたくなるものがあるかもしれないと思うとギャンブル的な要素すら感じます。

 

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まもなく伊東線伊豆急行に訪れる大きな変化の中で静かに歩みを止めて姿を消す251系。

 グリーンアテンダントサービスや1階下のサロンスペースなど、好景気の華やかな雰囲気を今に伝えながら、最後まで走り続けてほしいと願います。