湘南ライナー

平日夕方、東京駅東海道線のホームから約30分ごとに座席定員制の列車が走っています。その名は「湘南ライナー」。

ライナー券普通列車用グリーン券を購入する必要はありますが、特急料金などに比べ手ごろな値段で着席保証が受けられるため、発車前にライナー券が売り切れることもしばしば。

(グリーン車は自由席のため着席保証はないものの、立ち客が出るほどの混雑になることはあまりないようです)

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2018年現在「湘南ライナー」に使用されている車両は主に2種類あり、写真の215系オール2階建て車両と、特急「踊り子」などでおなじみの185系車両です。

普通車を中心に車内設備にビミョーな差があるような気もしますが、料金は同一です(笑)

 

今回取り上げる「湘南ライナー」をはじめ、様々な名称で呼ばれる、いわゆる「ライナー」列車は国鉄時代に増収策の一環として、主要駅から車両基地に引き上げる回送列車のスジを有効活用する方策として始まったものでした。

計画段階では、短距離利用に着席料金を払う利用者がいるのかと懐疑的な見方も多かったようですが、いざ実行してみるとライナー券が連日売り切れるほどの盛況で、当初はグリーン車に限っていた利用を普通車にも拡大するほどだったようです。

 

なんとか増収を図りたかった現場のアイデアから運転が開始されたライナー列車。そんな背景もあり、乗車に必要な「ライナー券」も全国どこでも購入できるわけではなく、乗車駅もしくは乗車駅近傍の駅に限られています。そして発券される券面も通常の座席指定券とは異なるものです。

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これがそのライナー券の一例です。観光施設の入場引換券などとして発券されることの多い、この120mmマルス券の形態で発券されます。

停車駅ホーム上にある券売機ではエドモンソンサイズのライナー券にて発売されるようです。

座席定員制であり、個別の座席管理をせずに済むからか、全国の窓口で購入可能な特急や新幹線の指定席車両とは異なるシステムで座席管理を行っているようですね。

 

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一日の最後に少し贅沢な気分に浸れる「湘南ライナー

終点の小田原まで乗りとおすと所要時間は1時間を超え、中々乗りごたえのある列車です。

車内ではビールなどを買い込み晩酌を楽しむサラリーマン、東京駅発車前から寝息を立てて休む人、座席を向い合せにして目的地まで談笑する人など様々な過ごし方が見られます。座席定員制のため決して混み合うことのない車内だから過ごせる、ややゆったりとした時の流れを感じることが出来ます。

 

185系がE257系に置き換えられるという噂が出ている今日この頃、「踊り子」の今後に目が行きがちですが、この「湘南ライナー」も車両の置き換えなどの変化が起きるかもしれませんね。