ムーンライト信州の今後は?

去る10/19、JR各社から一斉に「冬の臨時列車のお知らせ」が発表されました。

年末年始の増発列車から冬ならではのイベント列車まで、様々な列車が臨時列車として設定されているわけですが、このプレスリリースに必ずと言っていいほど名を連ねていたある列車の名前が見当たりませんでした。

その列車の名前は「ムーンライト 信州」です。

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2002年12月のダイヤ改正で廃止された急行「アルプス」の代替列車として設定された臨時快速列車で、多客期の土休日を中心に高頻度で設定されていました。

運転区間は新宿→白馬で、新宿へ向かう上り列車は諏訪湖の花火大会後などのごく限られた期間にしか運転されません。

 

充当される車両は基本的に183・189系でしたが、新宿行きの上り「ムーンライト信州」に何回かE257系やE351系が充当されていたようです。

白馬へ向かう下り「ムーンライト信州」は183・189系が充当されていると考えて間違いないようです。

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筆者は一度だけ乗車したことがありますが、各車両通路側にまばらな空席があるものの、ほぼ座席は埋まっており、客層も明らかにこれから山に向かうであろうハイカーから、鉄道ファン、格安旅行を楽しもうという若者まで幅広かった印象があります。

夜の中央東線をひた走り、松本からはこまめに停車、各駅で多寡はあれどパラパラと乗客が降りていき、乗客のうち3割程度が終点の白馬で降りるといった様子でした。

各人が思い思いの姿勢で眠りにつき、それぞれの目的地に散っていく様子はかつての座席夜行の姿を今に伝える貴重な空間だったのかもしれません。

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車内はフリーストップ式の回転リクライニングシート。改造されているとはいえやや陳腐な印象は拭いきれませんが、そこは指定席料金のみで乗れる快速列車。多くを望むことの方が間違っているのでしょう。

 

そして言うまでもありませんが、決して座っているのが苦痛になるほどお粗末な設備では決してありません。

個人的にはやや快適な4列夜行高速バス、と言ったところでしょうか。

 

 

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私の乗車したタイミングは、今ほど巷での国鉄型特急熱も熱い時期ではなかったので、新宿でも白馬でも少し待てば(腕があるかは別として)自分の狙ったアングルでシャッターを切ることが出来ました。

国鉄時代に製造された車両だけでなく、JR発足直後にデビューした車両までもが引退していく昨今。「ムーンライト信州」に使用される189系の引退がそう遠くない将来であることはほぼ間違いないでしょう。

現に新宿などヒトが集まりやすい場所にこの189系が登場するとなると非常に多くの鉄道ファンが集まります。それだけ注目度が上がっている(→珍しいものになっている)ということなのでしょう。

 

いつの運転が最後になるのか、はたまた既に運転を終えた9月の運行が最後の運行になってしまうのか、臨時列車という性格上分かりにくいところはありますが、今後も臨時列車としてダイヤが設定され、再び走る日が来るのか、このままひっそりと消え去ってしまうのか、189系の去就と同様に「ムーンライト信州」の今後の設定についても気になるところです。