富士にある「富士」を見に
休日にしてはまぁそこそこな時間に活動開始できたので、前から気になっていた、富士急行 下吉田駅の展示車両を見るべく、ふらっとお出かけをすることに。
あまりに無計画、行き当たりばったりで出発してしまったため八王子で10分後に到着する特急の存在をスルーして快速列車をチョイス。結果として大月到着が30分以上遅れてしまいましたが、なんとか大月に到着。
大月駅構内の留置線で昼寝している車両を眺めつつ普通列車に乗り、一路下吉田駅へ向かいました。
何度か列車交換を繰り返しながら、下吉田駅に到着。
大月方面から向かうと、ホームに入る前に保存客車の姿を拝むことができます。
駅自体は明るめな木目が印象的で、出入り口にはロゴマーク入りの暖簾…。
このところ全国各地で展開されている(個人的には食傷気味な)水戸岡デザインなようです。
さて、気を取り直して、お目当ての保存車両に会いに行くことに。
「下吉田駅 ブルートレインテラス」と名付けられているこの広場は、富士急ゆかりの車両と「富士」つながりということで、14系寝台客車が保存されています。
車内に入れるのは14系客車のみ、169系は生くびカットモデルだったりとややこじんまりした印象ですが、有効な乗車券、入場券を持っている旅客は無料で入れるというお得なスポットだったりします。
しかも、ブルートレインテラスへの入場に際して入場証、ないし専用入場券を窓口で交付されますが、それが14系客車が描かれたD型硬券という充実っぷり(笑)
「ブルートレインテラス」の名の通り、展示車両の主役である14系寝台客車。
カーテンやリネン類など、撤去されてしまっているものもありますが、基本的には現役当時のまま。
私が訪ねた際は他に来場者もいなかったので、いわゆる「ヒルネ区間」を独占しているような雰囲気でした。
はまなすやあけぼので開放寝台に何度となく乗った経験があるので、通路側の補助いすに座って列車の往来を眺めているだけで、ここに来た価値があったなと思ってしまいました。
駅舎を挟んで反対側に展示してあるのがフジサン特急で使用されていた富士急2000系。
もとは国鉄(→JR東日本)のジョイフルトレイン「パノラマエクスプレス アルプス」です。
これでもかと言うくらい富士山をモチーフにしたキャラクターが描かれていてインパクト充分。
153系から始まる国鉄急行型の末裔として姿を変え、走る場所を変えて走り続けてきましたが、今はこうして後輩たちが行き交う様子を見守っています。
14系客車のそばに展示されている国鉄急行型車両169系。
165系ファミリーの一員で横川-軽井沢での電気機関車との協調運転に対応した形式ですが、こんなブログをご覧になる皆さんはご存知のことでしょう。
恐らく、フジサン特急用2000系を導入する際に部品取り用として富士急入りし、富士吉田(現 富士山)駅構内の側線で留置されていた車両を整備したものなのでしょう。
このほかにも、数両の貨車が展示(留置?)されています。また、駅併設の下吉田クラブと名付けられた喫茶店は高い天井と水戸岡デザインではおなじみの「木のあたたかさ」を感じられる開放的な空間で列車の時間までゆっくりとお茶やコーヒーを楽しむことができます。
丸一日、ここで過ごすのはさすがに厳しいところがあるかと思いますが、鉄分の濃い方ならば満喫できる空間なこと請け合いな下吉田駅なのでした。