タキシードと金目鯛

 

ぽこっと一日予定が空いたので、時刻表をぱらぱら。関東在住でありながら、いまだに乗ったことのない伊豆クレイルの運転日であり、えきねっとで空席照会したところなんと前日深夜なのに「△」!

これは乗るしかないなと思い立ち、睡眠不足を押して出かけてきました。

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タイトルは察しのついている方もいらっしゃるかと思いますが、伊豆クレイルリゾート21「キンメ電車」のことです(笑)

 

伊豆クレイルに乗るべく、小田原駅で入線を待ち構え……。

と多くの方が考えるかと思いますが、今回は一計を案じて、横浜駅から185系「踊り子」に乗車。葬式鉄が群がる おなごり乗車で賑わう前に短時間ですが、伊東までグリーン車に乗車。(画像ないですすみません)。重量感があるというか、堅牢というか。なにかにつけしっかり、どっしりとした作りのグリーン車というのも今や失われんとしている国鉄らしさ。コストや軽量化にプライオリティーが置かれがちな昨今ですが、こうした物理的な重厚さが静粛性やグリーン車独特に落ち着きにあらわれているのではないかと思います。E231、233に代表されるグリーン車とはまた違った質感を感じるのは懐古主義のなせるものでしょうか。 

 

 さて、戯言はさておき、そうこうしているうちに伊東に到着。改札で特急券に無効印を押してもらい、私は一路みどりの窓口へ。先ほど書いた「一計」を実行します。

目的は伊東-伊豆急下田の伊豆クレイル グリーン車指定券を購入するため。この区間は120mmマルス券+常備券の形で発券されることを知ったので、自分の目で確かめてみたく、伊東まで移動したのでした。

 

 伊東駅に滑り込む伊豆クレイル。「タキシードボディ」と呼ばれ、常磐路を駆け抜けた日々は遠くなりつつありますが、シンプルな面構成にはシンプルな色遣いが似合うのではないかと思ってみたり。

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車内は1,2号車はびゅう旅行商品専用。通路を片側に寄せた開放式B寝台スタイルで、仲間と伊豆の海を眺めながらゆっくりとした時間が過ごせそうです。

 

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3号車がカウンター&ラウンジ。軽食とアルコールを含む飲料を販売しています。

車内販売限定の商品もいろいろあるので、乗車の際はぜひ(笑)

なんとなく大人な女性向けの商品が多い印象を受けました。

この日は地元ミュージシャンによるミニコンサートがありました。

 

4号車が「スーパーひたち」時代の面影を一番留めているかもしれません。この車両は一般販売されるグリーン車指定席で、元は普通車指定席だった車両です。

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モケット張替え、荷物おきスペースの設置程度の小規模な改造にとどめられています。

個人的には特急→快速の格下げがあるにしても、普通車→グリーン車への格上げに釈然としないものが残ったり…。

グリーン車の指定席なので、JRの区間のみであったとしても青春18きっぷがつかえないことも注意が必要かもしれませんね。

 

そして、伊豆急下田駅に停車していた「キンメ電車」個人的には白地に赤もしくは青のストライプで先頭車の展望部分に「21」と大きく書かれていたノーマル塗装の方がこの車両には似合っているように思いますが、観光需要の喚起も必要ですし、鉄道好きでもなければあまり気にすることではないのでしょう。

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車内は沿線自治体のポスターなどが掲示されており、編成全体で地域振興に努めている様子。各自治体が工夫を凝らしていて、気付くと車内を一周してしまいます。

そんな車内で私が一番驚いたポイントは、何と「シートモケット」!

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引きの写真しか撮っていなかったので、伝わりにくいかもしれませんが、なんとモケットにも金目鯛が描かれています。海側のロングシートも、山側のボックスシート

「鯛、鯛、鯛! ! ! 」

 

そんな内側も外側も金目鯛だらけな電車に揺られて着いた先は伊豆高原駅。ここには伊豆急行の車庫があります。そして、そこでお昼寝していた車両は………?

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かつては臨時特急「リゾート踊り子」として特急運用までこなしていた「アルファリゾート21」.。今は「The ROYAL express」の名でミトーカされ、レストラン列車になっています。

お値段もかなりするので、なかなか乗車機会はありませんが、こうして実車を見ることが出来てラッキーでした。伊豆の新しい看板列車。伊豆クレイルも含め、今後も末永く愛されてほしいですね。

 

そして、車庫の隅には伊豆急行のかつての主役100系が。

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伊豆を今日も走る8000系電車にも引き継がれたこの塗装はとても涼しげで伊豆の景色にとてもマッチしていると思います。保安装置の関係から、乗客を乗せた状態での本線走行は難しい、との話も耳にしますが、是非いつまでも伊豆を行きかう列車たちを見守っていてほしいですね。

 

という訳で、前日プランニング、5時間後には出発、という色んな意味での「伊豆日帰り弾丸旅行」でした。