冬の「ぬくもり飛騨路」

高山本線の季節臨時列車として、運転日の設定は少ないものの定着してきた感のある急行「ぬくもり飛騨路」号。2018年春シーズンに初めて乗車し、高山本線の変化に富んだ車窓と、地域の方を巻き込んだ、文字通り「ぬくもり」ある様子が気に入ったので、2018年冬シーズンにリピートしてきました。

以前の記事はこちら

 

goronto-akebono.hatenablog.com

 

 

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ダイヤなどは基本的に同一で、充当される車両もJR東海キハ85系でした。今までと異なった点としては、運転区間が高山どまりになっていること、そして半室ではありますがグリーン車が設定、販売されたことです。

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せっかくなのでグリーン車急行券・グリーン券を確保して乗車しました。名古屋までは東海道新幹線を利用したので乗り継ぎ割引が適応されています。

はまなす」が廃止されて久しいですが、定期急行列車が運転されなくなった今、「急行券」を入手する方法としては、JR東海が設定する臨時列車が一番身近な方法かもしれませんね。

 

 前回の乗車時と同様に、沿線自治体による観光PRや、途中駅での停車時間を利用した駅弁販売など。決してそのすべては華やかなわけではありませんが、だからこそ手作りの温かさを感じることの出来る「ぬくもり」が変わらず迎えてくれました。

乗車記念ボードとさるぼぼとの記念撮影などもあり、むしろパワーアップしているかもしれません。

 

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キロハ84系は初乗車でもあったので、しっかりとしたつくりの広々した座席でのんびりと雪景色も混じる飛騨路を楽しむことが出来ました。

終点 高山駅では駅から徒歩数分の所にある公園に保存されているSLとラッセル車を見物してから「(ワイドビュー)ひだ」で富山へ抜け、北陸新幹線で帰京しました。

往路の東海道新幹線JR西日本所属のN700系に乗り、JR東海所属のキハ85系で「ぬくもり飛騨路」を楽しみ、帰りにはJR東日本所属のE7で旅の余韻に浸る、JRの本州3社を股にかける、乗り継ぎぐるり一周の旅でした。

 

DLばんえつ物語と青い客車

 JR東日本磐越西線、新津ー会津若松を走る「SLばんえつ物語」。その名の通り、「貴婦人」の愛称のあるSL C57-180がその牽引の任に当たり、首都圏からも(ギリギリ)日帰り圏内とあって、根強い人気のあるジョイフルトレインです。そんな「ばんえつ物語」ですが、SLの検査や故障の際には牽引機をSLからDLへと動力近代化を図った「DLばんえつ物語」へと名前を変えて(まれによく)運転されます。

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新津から会津若松に到着し、入れ替えを待つ「DLばんえつ物語」。DL運転専用のヘッドマークも準備されています。また、2019年GW運転時のヘッドマークには、小さくて分かりにくいですが「HEISEI-REIWA」の記載もありました。

 

「DLばんえつ物語」号は今までもしばしばゲリラ的に設定されてきましたが、2019年GWに設定されたこの列車は牽引機以外にもイレギュラーな要素が含まれていました。

1号車「オコジョ展望車」と2号車普通車指定席に使用されている車両が定期検査のため秋田の土崎工場(秋田車両センター)へ入場しているため、その代わりの緩急車として高崎に所属している事業用車「オヤ12-1」(非営業)が連結されているのです。

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 事業用車両である「オヤ12-1」は保存SL回送時などの伴走用車両として通常の12系客車から改造された車両です。通常は営業用列車に連結されることはほぼないと言え、今回の運転(連結)は貴重な機会になると思い、GWの混雑の合間を縫い行ってみました。

 営業用車両ではなく、当然のことながら指定席としての座席の発売もないので、車内に入ることはできませんが、他の「ばんえつ物語」号客車と同じように停車駅ではドア扱いがあり、貫通路にも「業務用 立ち入り禁止」のA4サイズの張り紙があるのみで、特に強烈な目隠しがしてあるわけでもありませんでした。

 

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 回送時の伴走がメインの走行機会となる「オヤ12-1」。せっかくなので、停車時間などを利用して車内の様子を伺ってみたところ、車内は網棚などの一部接客用設備が撤去されているようでしたが、その他は旅客用の12系客車と大きな違いはない印象を受けました。むしろ、原型からの改造がほぼなされていない(であろう)、原型にもっとも近い12系客車のうちの1両かもしれません。トイレ横の洗面台も自動水洗化されておらず、昔ながらの「押しボタン式」でした。

 

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SL+ばんえつ物語専属客車の整った編成美もよいですが、それを見て知っているからこそ気付けるイレギュラー満載な「DLばんえつ物語」。記念乗車証までご丁寧にDL仕様ですが、チケッターの表記はSLのままなのはご愛嬌といったところでしょうか。押印された日付「31- 4-27」も「令和」になった今ではある意味で貴重な記録なのかもしれません。

6月には客車すべてが高崎の原型12系客車で構成される「DL青い12系客車」号が運転される磐越西線。SLと比べるとどうしても訴求力の劣る臨時列車となってしまうかもしれませんが、ニッチなニーズもしっかり拾い上げて実現していく新潟支社の企画力には脱帽です笑。

岩出山駅 委託解除、無人化

 

陸羽東線岩出山駅。駅周辺には住宅が多く立ち並ぶこの駅は2019年2月に無人化され、今は完全な無人駅になってしまったようですが、それまでは業務委託駅として窓口が1窓、近距離きっぷ用の券売機も備えていました。駅に隣接して観光物産センターがあり、その中に「鉄道資料館」も併設されています。また、ここに展示されるに至った経緯は不明ですが、駅ロータリーには協三工業製のスイッチャーが展示されています。

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そんな岩出山駅、出札窓口では指定券の取り扱いも行っており、料金専用補充券(料補)での発券を行っていました。

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乗車日当日に購入した臨時快速「クルージング湯けむり」号の指定券です。

東北を移動の際に駅隣接の「鉄道資料館」目当てに岩出山駅で下車した際に求めたものです。次に乗る列車の時間も確認し、みぞれ降るなか隣の建物へ移動すると、なぜか人気(ひとけ)がなく……

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カーテンが閉じられ、観光物産センターも含め営業していない様子…。たまたまやって来たと思われる軽トラックのおばさまに鉄道資料館を訪ねた旨を伝えたところ、年末年始はお休みとのこと…

お目当ての資料館は見ることがかないませんでしたが、その分秋田支社のクルージングトレイン(元 リゾートしらかみ 初代ブナ編成)が充当される臨時快速で早く快適に移動しようと考え先ほどの指定券を求めた次第です。

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指定券の取り扱いがあることを現地で知り、鉄道資料館のリベンジがてら、今度は帰りの新幹線指定席をこの駅でお願いしようか、そんなことを夢見ていましたが、無人化に伴ってそれもかなわぬ夢になってしまいました。

 

 

 

「平成」から「令和」へ

昭和の半分、と書くと短い期間にも思えてしまいますが、30年を越える期間続いた「平成」が間もなく終わり、「令和」が始まります。

十年一昔のことわざにあるように、30年の間にも様々なものが様々な形で変化、進化してきました。

鉄道に関して言えば、平成になったときは国鉄がJRに分割民営化された直後、まだよちよち歩きと言ってもよかったかもしれません。新幹線は北は盛岡まで、西も博多までで、北陸新幹線はまだ企画、建設段階でした。在来線も客車列車が各地で健在、当然のことながら今では「国鉄型車両」ともてはやされている車両が主力として活躍していました。

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平成に生まれ育った私が鉄道趣味に足を踏み入れてから体験した一番大きな変化は「北海道新幹線」の開業でした。金曜夜に特急「つがる」最終便で夜の青森駅に滑り込み、「はまなす」へ乗り継いで土曜早朝の札幌駅に到着、そこから道内各所へと遊びに行き、日曜夜の札幌駅へ戻り「はまなす」で身体を休め、「つがる」へと乗り継いで、何事もなかったかのように新しい1週間を始めることを楽しみにしていたので、この強行軍を可能にしてくれていた強い味方「はまなす」の廃止はとても残念でした。

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現在では東京から函館まで新幹線で4時間を切るようになり、北の大地がより身近に感じるようになった方も多いかと思いますが、私はきっと深夜の函館駅で発電エンジンをとどろかせ続ける青い客車を今しばらくは忘れずにいるのでしょう。

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北海道新幹線開業に伴って更新されたJR北海道のスタンパー、北海道新幹線区間でしかH5系のスタンプは押してもらえないわけですが、お願いすると皆さん本当に快く対応してくださってありがたい限りです。どこか誇らしげなH5系の印影は厳しい環境に置かれているJR北海道の希望といったところでしょうか。

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新しい「令和」の時代も鉄道に限らず様々変化が起きることと思いますが、その時々に気になる、好きなものを追いかけていければと思います。

上田電鉄 お買いものきっぷ

(恐らく)日比谷の鉄道フェスティバルで購入した、使用済みきっぷ詰め合わせからのなかで、通常の硬券に混ざっていた変わり種きっぷを。

 

上田駅に隣接する「アリオ上田」・「イトーヨーカ堂上田店」で一定金額以上を購入し、レシートをサービスカウンターなどで提示すると、別所線の初乗り運賃に相当する分をカバーするきっぷをサービスしてくれる流れの様です。

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その別所線「お帰りきっぷ」を表裏でスキャンしたものです。

有効期間が発行当日限りのため、サービスカウンターで利用者に交付される際に券面に押された丸い日付印が押されたのでしょう。

裏面からは初乗り運賃区間を超えて利用する場合には差額精算でよいこと、回数券や定期券との併用が出来ないことが記載されています。

 

徳島駅JR四国が同様な買い物利用者に対する乗車券サービスを行っているようです。上田電鉄のホームページによると平成23年(2011年)より続いているサービスの様で、利用者にもしっかり認知され、利用されているようです。

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上田交通から上田電鉄へ社名変更され、一時は運営体制について不安も囁かれていましたが、車両更新も終了し、これからもこの「お帰りきっぷ」を利用する地元の乗客や別所温泉への旅行客を運び続けてほしいものです。