中央・青梅ライナー

 

先日、東海道本線京口を走る座席定員制ライナー列車「湘南ライナー」を取り上げましたが、今度は中央線系統のライナー列車「中央ライナー青梅ライナー」を取り上げたいと思います。

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同じライナー列車を名乗るだけあり、基本的な運用は「湘南ライナー」と似た部分も多く、朝ラッシュ時には東京へ向かう上り列車が、夕ラッシュ時には東京から八王子や高尾、青梅方面へ向かう下り列車が平日のみ設定されています。 

 

日中や土休日は特急列車として使用されている車両がライナー運用に充当されることも「湘南ライナー」と共通であり、「中央・青梅ライナー」ではE257系が運用にあたっています。かつては「スーパーあずさ」として走っていたE351系が一部運用に入っていたこともありますが、現在はE257系のみの運用となっています。

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停車駅ホーム上の自動券売機でライナー券が発売されることも共通ではありますが、「湘南ライナー」が乗車駅付近のみどりの窓口などでもライナー券が購入可能であるのに対して、「中央・青梅ライナー」ではみどりの窓口などのマルス端末ではライナー券の発売が出来ず、基本的な発売形態は券売機でのエドモンソン式乗車券のみとなる点は細かな差異と言えるかもしれません。 

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写真は東京駅中央快速線ホームで購入した、中央ライナーライナー券グリーン車のものです。

湘南ライナー」が普通車は座席定員制、グリーン車は「普通列車用グリーン券」で乗車可能(→グリーン車は定員制ではなく完全な自由席であり、座席の指定は当然なく、着席保障もない)なシステムを採用し、個々に座席の指定がないのに対し、中央ライナーでは普通車、グリーン車ともにライナー券購入時に座席番号が指定されます。

他の新幹線、特急列車の指定席とは異なり、乗車変更、払い戻し不可であり、その旨が券面にも印字されています。

 

 中央線の特急がE353系で統一され、捻出されるE257系が東海道系統の185系を置き換える噂がまことしやかに流れている昨今、この「中央・青梅ライナー」にも充当車両のみならず、何らかの大きな変化が訪れる可能性があり、来春のダイヤ改正後の運用体系が明らかになるまでは要注目の列車と言えるのではないのではないでしょうか。

 

最後に余計なお世話かと思いますが、青春18きっぷでは「グリーン車自由席」は利用可能ですが、「グリーン車指定席」は利用不可なので、18きっぷを使ってご利用の方はくれぐれもご注意を。似たような名前を冠するライナー列車でも、18きっぷでグリーン車に乗れるライナー列車と乗れないライナー列車があるので、ご利用の際はよくご確認くだされ。

 

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と言う内容で記事を書き、予約投稿として記事をセットしていたら、来春のダイヤ改正に関するプレスが鉄道各社より発表される日を迎えてしまい、そのなかでJR東日本からの発表内容に中央線系統のライナー列車の廃止が含まれていました。

料金としては値上げになる一方、新たな着席サービスの導入もあり、中央線の優等列車は一つ大きな変革期を迎えているのかもしれませんね。

徒然なるままにジョイフルトレイン その6 きらきらうえつ

徒然なるままにジョイフルトレイン、まだ北海道の車両で書こうと思っている車両のストックはあるのですが、気分転換も兼ねて本州のジョイフルトレインを1本登場させてみます。

今回取り上げるのは羽越本線を走るジョイフルトレインきらきらうえつ」です。

主な運転区間は新潟―酒田でほぼ毎週末1往復がコンスタントに設定されていますが、年に数回、運転区間が秋田や羽後本荘まで延長されることがあります。その時は「きらきらしらかみリレー」と名称が変わったりするとかしないとか…。

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カラフルなブロックパターン塗装を纏った外観からは想像がつきませんが、種車485系であり、羽越線内にある交直切り替えもお手の物です。

外観同様、車内も種車の面影はほぼなく、明るく開放的な室内に回転式リクライニングシートが配置されています。また、足元をよく見ると、デッキからキャビンに向けてスロープが配されハイデッカー構造になっています。車両中央部の通路から1段ステップを設けてハイデッキとする方法は中央本線系統の183・189系のグレードアップ車両などで行われていましたし、デッキに段差を設ける方法は小田急10000型HiSEや20000型RSEなどで見られましたが、デッキからスロープを伸ばして高さを稼ぐやり方は「きらきらうえつ」独特ではないでしょうか。

噂によると、というか容易に想像はつきますが、車体はほぼ新造なんだそうな。

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4両編成で全車指定席の臨時快速列車として運転される「快速列車」故に18きっぷシーズンなどには快適に長距離移動ができる列車としても脚光を浴びる(?)「きらきらうえつ」ですが、4両中1両は車内販売用のカウンターとラウンジスペースとして使われています。

カウンターでは新幹線車内販売などで見られるようなお菓子や飲み物、お弁当などの車内販売定番商品の他に、新潟銘菓や越後、荘内地方の地酒、おつまみなども取りそろえており、希望すればラウンジスペースを使ってのんびりとそれらを楽しむことも可能です。

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また、小さなことではありますが、車内検札時に乗務員が使用するチケッター。「きらきらうえつ」には専用のチケッターが用意されており、運用によってインクの色も替えているようです。きっぷを保存しておく人たちにとっては思い出が増えていいアイデアかもしれませんね。

 

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2001年からその名の通り羽越本線を中心に日本海沿いに広がる雄大な景色を乗客に届け続けてきた「きらきらうえつ」。しかし、その活躍もそう長くはないのかもしれません。

JR東日本から「きらきらうえつ」と運転区間が重複する新たなリゾート列車の登場がアナウンスされました。その名は「海里」。

リゾートあすなろ」などと同じハイブリッド気動車を採用するそうで、現行の「きらきらうえつ」よりもグルメなどの要素も取り込んでいくようです。

 

485系列を種車にしたジョイフルトレインで他に現存するものは「リゾートやまどり」などがありますが、「リゾートエクスプレスゆう」や「彩」が続々と引退し、原型の485系が定期運用についていない今、これらの車両の行く末も不安を感じざるを得ません。

 

マルス券、小変化

きっぷに関してお詳しい方々ならすでにご存じのことと思いますが、10/1を目安にマルス券の発行日時の表記が変更されるようになりました。

その目立たないけれど、確かに起きた変化を見てみたいと思います。

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こちらは2018年(平成30年)2/25に発売されたJR九州 出水駅の入場券です。

券面左下の発行年月日は「元号年.月.日」と表記されています。

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そしてこちらは2018年(平成30年)9/27発売のJR東日本 福島駅の入場券です。

初乗りの値段が違う影響で、発売額が違ったり、「発売時刻から2時間以内有効」の文言が入っていたりと差異はありますが、発行年月日は「30.-9.27」つまり「元号年.月.日」表記です。

 

では、10月から順次切り替わっているよいう新たな表記はというと…?

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JR東日本 酒田駅で2018年(平成30年)10/1 発売された入場券です。

発行年月日の欄が「2018.10.-1」と印字され西暦表示に変更されています。

見比べてみると数字が半角化(?)されて今までよりも省スペースになっているようです。

 

恐らく、来年に予定されている改元を見据えた変更と思われますが、これで例えば「15.07.16」と書かれたマルス券を見て、これは平成なのか、新たな元号なのか…、と悩まずに済みそうですね。

 

今回はJRの青いきっぷにまつわるちょっとした、ドマイナーチェンジにまつわるお話でした。

湘南ライナー

平日夕方、東京駅東海道線のホームから約30分ごとに座席定員制の列車が走っています。その名は「湘南ライナー」。

ライナー券普通列車用グリーン券を購入する必要はありますが、特急料金などに比べ手ごろな値段で着席保証が受けられるため、発車前にライナー券が売り切れることもしばしば。

(グリーン車は自由席のため着席保証はないものの、立ち客が出るほどの混雑になることはあまりないようです)

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2018年現在「湘南ライナー」に使用されている車両は主に2種類あり、写真の215系オール2階建て車両と、特急「踊り子」などでおなじみの185系車両です。

普通車を中心に車内設備にビミョーな差があるような気もしますが、料金は同一です(笑)

 

今回取り上げる「湘南ライナー」をはじめ、様々な名称で呼ばれる、いわゆる「ライナー」列車は国鉄時代に増収策の一環として、主要駅から車両基地に引き上げる回送列車のスジを有効活用する方策として始まったものでした。

計画段階では、短距離利用に着席料金を払う利用者がいるのかと懐疑的な見方も多かったようですが、いざ実行してみるとライナー券が連日売り切れるほどの盛況で、当初はグリーン車に限っていた利用を普通車にも拡大するほどだったようです。

 

なんとか増収を図りたかった現場のアイデアから運転が開始されたライナー列車。そんな背景もあり、乗車に必要な「ライナー券」も全国どこでも購入できるわけではなく、乗車駅もしくは乗車駅近傍の駅に限られています。そして発券される券面も通常の座席指定券とは異なるものです。

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これがそのライナー券の一例です。観光施設の入場引換券などとして発券されることの多い、この120mmマルス券の形態で発券されます。

停車駅ホーム上にある券売機ではエドモンソンサイズのライナー券にて発売されるようです。

座席定員制であり、個別の座席管理をせずに済むからか、全国の窓口で購入可能な特急や新幹線の指定席車両とは異なるシステムで座席管理を行っているようですね。

 

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一日の最後に少し贅沢な気分に浸れる「湘南ライナー

終点の小田原まで乗りとおすと所要時間は1時間を超え、中々乗りごたえのある列車です。

車内ではビールなどを買い込み晩酌を楽しむサラリーマン、東京駅発車前から寝息を立てて休む人、座席を向い合せにして目的地まで談笑する人など様々な過ごし方が見られます。座席定員制のため決して混み合うことのない車内だから過ごせる、ややゆったりとした時の流れを感じることが出来ます。

 

185系がE257系に置き換えられるという噂が出ている今日この頃、「踊り子」の今後に目が行きがちですが、この「湘南ライナー」も車両の置き換えなどの変化が起きるかもしれませんね。

ムーンライト信州の今後は?

去る10/19、JR各社から一斉に「冬の臨時列車のお知らせ」が発表されました。

年末年始の増発列車から冬ならではのイベント列車まで、様々な列車が臨時列車として設定されているわけですが、このプレスリリースに必ずと言っていいほど名を連ねていたある列車の名前が見当たりませんでした。

その列車の名前は「ムーンライト 信州」です。

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2002年12月のダイヤ改正で廃止された急行「アルプス」の代替列車として設定された臨時快速列車で、多客期の土休日を中心に高頻度で設定されていました。

運転区間は新宿→白馬で、新宿へ向かう上り列車は諏訪湖の花火大会後などのごく限られた期間にしか運転されません。

 

充当される車両は基本的に183・189系でしたが、新宿行きの上り「ムーンライト信州」に何回かE257系やE351系が充当されていたようです。

白馬へ向かう下り「ムーンライト信州」は183・189系が充当されていると考えて間違いないようです。

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筆者は一度だけ乗車したことがありますが、各車両通路側にまばらな空席があるものの、ほぼ座席は埋まっており、客層も明らかにこれから山に向かうであろうハイカーから、鉄道ファン、格安旅行を楽しもうという若者まで幅広かった印象があります。

夜の中央東線をひた走り、松本からはこまめに停車、各駅で多寡はあれどパラパラと乗客が降りていき、乗客のうち3割程度が終点の白馬で降りるといった様子でした。

各人が思い思いの姿勢で眠りにつき、それぞれの目的地に散っていく様子はかつての座席夜行の姿を今に伝える貴重な空間だったのかもしれません。

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車内はフリーストップ式の回転リクライニングシート。改造されているとはいえやや陳腐な印象は拭いきれませんが、そこは指定席料金のみで乗れる快速列車。多くを望むことの方が間違っているのでしょう。

 

そして言うまでもありませんが、決して座っているのが苦痛になるほどお粗末な設備では決してありません。

個人的にはやや快適な4列夜行高速バス、と言ったところでしょうか。

 

 

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私の乗車したタイミングは、今ほど巷での国鉄型特急熱も熱い時期ではなかったので、新宿でも白馬でも少し待てば(腕があるかは別として)自分の狙ったアングルでシャッターを切ることが出来ました。

国鉄時代に製造された車両だけでなく、JR発足直後にデビューした車両までもが引退していく昨今。「ムーンライト信州」に使用される189系の引退がそう遠くない将来であることはほぼ間違いないでしょう。

現に新宿などヒトが集まりやすい場所にこの189系が登場するとなると非常に多くの鉄道ファンが集まります。それだけ注目度が上がっている(→珍しいものになっている)ということなのでしょう。

 

いつの運転が最後になるのか、はたまた既に運転を終えた9月の運行が最後の運行になってしまうのか、臨時列車という性格上分かりにくいところはありますが、今後も臨時列車としてダイヤが設定され、再び走る日が来るのか、このままひっそりと消え去ってしまうのか、189系の去就と同様に「ムーンライト信州」の今後の設定についても気になるところです。